仲夏・天文/五月雨がふるころの月の出ない夜の暗さをいう。この時期の厚い雲におおわれた日中の暗さをさすこともある。
すり寄りし犬の肋や五月闇 川崎展宏
静かな雨のなか、仕事から帰ると庭へまわって、シロの様子を見にいく。
暗闇に白いかたまりが動いたのでほっとする。
ゆっくり立ち上がり小屋から出てきたシロは、しゃがんだわたしに身を寄せ、甘えるような目を向けてくる。
頭を撫ぜ、背中をさすってやる。日に日に肉が落ち、肋は浮き出ている。
ぱらぱらと傘にあたる雨つぶの音と、シロのかすれた呼吸音。
せめて、あしたは晴れてくれないかと切に思う。
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