冬近し(ふゆちかし)

晩秋・時候/すぐそこまで冬がきている気配をさす。冬のきびしい寒さ、暗さが迫り、どこか緊張感が感じられる。


冬近し厚きプラトン書の余白  有馬朗人


思いきって、読書の秋から読みはじめたプラトン。朝晩は冷えるようになり、季節は冬へと移ろうころというのに、まだ読み終わらない。

自分なりに思索の一端を残そうと余白にせっせと書き込みをしてきた。窓の外を白いものが舞いはじめる前に、どうにかこの先のページの余白も埋めてしまえないか。

なにか急かされるような思いでめくる1ページが、またやけに重い。


有馬朗人(ありまあきと)1930-2020年。大阪府生まれの物理学者・政治家・教育者・俳人。山口青邨に師事。「天為」を創刊・主宰。多くの海外詠がある。




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