三夏・動物/縄のように長い爬虫類。蝮やハブなどを除き、ほとんどは無毒。冬眠のあと春に穴を出て活動し、水面を走ることもある。
空に弧を描きて蛇の投げられし 林徹
これ、どんな状況よ?
スローモーションのような映像は気持ちわるいくらい生々しく鮮明だけれど、どうも状況がねえ。
たとえば、子供が蛇がいるから怖くて歩けなくなったところ、野性味たっぷりの父親がえいやッとばかりに放り投げてやったとか?
私の祖母は、私が庭にいた蛇に声をあげ指さしたとき、罰があたるからといってその指をサンダルでそっと踏んだことがある。至極まじめな顔つきで蛇は神様だからね、指が腐るよといったが、指を足で踏むという行為とそれで腐らずにすむという論理が、子供心にもいかにも滑稽に思われた。まあ、踏んでもらってほっとしたのも事実だけれど。
この句は「投げられし」とぶっきらぼうにいったところに、悪いことなどしていないのに、ただ蛇だってだけで嫌われてしまう哀れっぽさが漂っていて、そこが好き。祖母なら、その暴挙に卒倒してしまっただろうけれど。
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