鞦韆(しゅうせん)

三春・人事/ぶらんこ。子供たちが楽しげにぶらんこを漕ぐ姿はいかにも春らしい。


鞦韆を漕ぐとき父も地を離る  鷹羽狩行


父親たるもの常にどっしりと両足を地につけ、何があっても動じない。すべてはわが子を守るため。

そうみずからに言い聞かせなくてはならないのは、本当は気の弱い未熟者だから。

児童公園で子供とならんでぶらんこに乗った。こうやって漕ぐんだぞ。

こんなに勢いよく漕ぐのはいつ以来だろう。実に爽快だ。

もっと大きく、もっと高く。ぶらんこを降りて父に戻るまでの、つかのまの解放感。


鷹羽狩行(たかはしゅぎょう)1930年、山形県生まれの俳人。山口誓子に師事。「狩」を創刊・主宰。


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