ナイター

晩夏・人事/夜間、照明をつけて行う野球の試合のこと。和製英語。納涼をかねた野球観戦でもある。


ナイターに見る夜の土不思議な土  山口誓子


強い照明に照らされた夜の土は、陽ざしのもとで見る土とは明らかに表情がちがう。

昼が表の顔とするなら裏の顔といおうか、うまくいえないけれど、まさに「不思議な土」。

手花火に照らし出される庭の土にも同じ感覚をおぼえる。

ナイターは東京ドームでしか観たことがないので、この句のイメージとはすこしちがうのだけれど、あの夜バッターボックスに立った大谷翔平選手の異様なでかさが印象的だった。

土のことしかいっていないのに、かえって選手やボールの動きが見えてくるのがおもしろい。


山口誓子(やまぐちせいし)1901-1994年。京都府生まれの俳人。高浜虚子に師事。水原秋櫻子、阿波野青畝、高野素十らと「ホトトギス」で活躍した。「天狼」を創刊・主宰。




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