グラジオラス

晩夏・植物/南アフリカ・地中海沿岸原産のアヤメ科の球根植物。高さ約1メートル。剣状の葉の間からのびた花茎に夏、横向きにならんだ漏斗状の花が下から順にひらく。花色は白・赤・黄・紫など豊富であざやか。


グラジオラス妻は愛憎鮮烈に  日野草城


剣のように硬くとがった葉を空に向かってのばし、色あざやかな大ぶりの花をひらくグラジオラスみたいな妻。

愛が深ければ深いほど、憎しみに転じたときにみせる刃の切れ味はするどいのか。

こんな妻ではこちらの身がもちそうにない。

相手の存在をありのまますべて受け容れることを愛とよぶのなら、それにふさわしい花はなんだろう。


日野草城(ひのそうじょう)1901-1956年。東京生まれの俳人。保険会社勤務。高浜虚子に師事。戦前は「旗艦」を創刊・主宰し、無季新興俳句運動を展開した。





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