短日(たんじつ)

三冬・時候/日中の時間が短い冬の日をいう。秋分を過ぎると日暮れが日ごとに早くなり、冬至に日中の時間が最短となる。


短日や影も角出す金米糖  野見山朱鳥


影は光あってこそ生まれるもの。昼が短く、寒さもあって、ことに陽ざしが恋しい冬の日に、ちいさな金米糖のわずかなとがった部分のつくる影に気づいた。

それを「角」と表現するからには、日にあたっている金米糖を手のひらにでものせて、よくよく見入っているのだろう。

ここで「角も影ある」ではなく、「影も角出す」といったところに妙味がある。

あざやかでかわいらしい色とりどりの金米糖は、さびしい冬の日向にあって、ささやかなぬくもりを与えてくれる。


野見山朱鳥(のみやまあすか)1917-1970年。福岡県生まれの俳人。高浜虚子に師事。「菜殻火」主宰。 



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