初秋・天文/天の川銀河の無数の恒星の集団で、帯状に夜空を大きく横切るように見える。8月に天頂にかかる。
天の河落ちんばかりに鬼太鼓 三嶋隆英
鬼太鼓は新潟県佐渡地方の民俗芸能。鬼や獅子、笛、太鼓などの一団が五穀豊穣や家内安全などを祈りながら家々の玄関先で悪魔を払う神事。120あまりの集落でそれぞれ独自の鬼太鼓があり、春と秋を中心に行われる。朝から晩まで一日中踊りつづけるハードな集落もあるらしい。
いまは動画でもすぐに観ることができるけれど、この句のよさを味わうにはやっぱり現場に立ってみたい。
天の川をながめて星たちが落ちてきそうと思うのはいかにも凡庸。
この句は鬼太鼓をもってきて、島の夜空をふるわせる太鼓の音はもちろん、飛んだり跳ねたり一心不乱に舞う激しい鬼の動きを想像させることによって、壮大で神秘的な季語「天の川」を描き出しているのに心惹かれる。
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