梅雨明く(つゆあく)

晩夏・時候/梅雨前線が北上し、梅雨が終わること。暦の上では入梅から30日後。雷鳴を伴った豪雨のあと梅雨明けとなることも多い。


梅雨明けぬ猫が先づ木に駈け登る  相生垣瓜人


ようやくわが庭にも太陽が戻ってきた。

雨にふりこめられていた飼い猫がよろこび勇んで飛び出していく。

おお、あいつ木に登りやがった。下りられなくなってもしらんぞ。

芝生にできた木の影が濃い。

さあて、俺はどうするか。俺だってほんとは木に登りたいくらいの気分だが、そんなことをしたら家人が目を丸くするだろう。

真っ青な空とぎらつく太陽を見ていると、なんだってできそうな力がむくむくと湧いてくる。

さあて、今年はどんな夏にしてやろうか。


相生垣瓜人(あいおいがきかじん)1898-1985年。兵庫県生まれの俳人・高校教諭。水原秋櫻子に師事。「海坂」を創刊・主宰。  





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