うらら

三春・時候/春の日が明るくうるわしく照っているさまをいう。


春うららちりめんじゃこが散り散りに  坪内稔典


ご飯にかけようとしたら手元がくるって、食卓に散らばってしまったちりめんじゃこ。

あーあ、やっちゃった。

ちいさな失敗にもいらだってしまいがちだけれど、きょうはなんだか愉快、愉快。

季語「うらら」に春をくっつけて、こんなに春うららなんだから、そりゃちりめんじゃこだって散り散りになるさって笑ってる。

「うららかや」では出せないかろやかさ。

こんな心がころがるような句ができるのも、うららかな春だから。


坪内稔典(つぼうちねんてん)1944年、愛媛県生まれの俳人・国文学者。伊丹三樹彦に師事。


0 件のコメント:

コメントを投稿