秋晴(あきばれ)

三秋・天文/秋の空が澄んで晴れわたっていること。


秋晴や囚徒たるる遠くの音  秋元不死男


秋になり空気が乾いてくると、遠くの音までよく聞こえるようになる。

それはわかるのだけれど、せっかくのさわやかな秋の好天には、もっと心が浮き立つような、明るい楽しげな音が聞きたい。たとえば?と急に訊かれても困るのだけれど。

囚徒がどれだけ殴られようが、遠くにいる自分には無関係であるはずなのに、空はどこまでも青くうつくしくかがやいていて、それが無性に哀しい。


秋元不死男(あきもとふじお)1901-1977年。神奈川県生まれの俳人。島田青峰に師事。「氷海」を創刊・主宰。





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