十七音のとびらを開けば、いつだって、ここではないどこかへ旅立てる。 今日のとびらの向こうには、どんな風景・人との出会いが待っているのだろう。
晩夏・時候/登山、海水浴などのシーズンが去りゆき、惜しまれる。
こんなところになぜこんなものが、という発見をすることがある。
避暑地の泉だろうか。澄んだ水底に光る銀の匙。
落ちてしまったのか、投げ捨てたのか。すくおうとしていた、あるいはすくったものはなんだったのか。
ここに間違いなくだれかがいたひとつの痕跡。終わってしまった夏の物語。
銀色のちいさなきらめきは、夕映えを最後に、徐々につめたくなっていく水の底で、もうだれの目にもとまることはない。
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